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Bill Goldman冊子その参

マジックの話し
04 /08 2007
Goldmanの冊子その壱その弐はメンタルマジックの分野でした。
今日ご紹介するのはカードトリックの冊子「ONE FOR THE MONEY」

「ONE FOR THE MONEY」【注】現象は観客から観た印象をそのまま書いています。
マジシャンはケースに入ったままのデックを観客に手渡します。
観客からデックを借りてもこのトリックは可能です。
観客の手でカードを混ぜてもらい、一枚のカードを選んでもらいます
一枚憶えてもらった後、観客によく混ぜてもらいます
この時マジシャンは後ろを向いていたり、観客から離れた場所に居り、カードを見たり触ったりすることはしていません。
よく混ぜてもらったらマジシャンはデックを受け取り整えた後、観客に1~52の間の数字を一つ言ってもらいます。例えば32としましょう。
マジシャンはテーブルの上のデックから32枚裏向きのままゆっくりテーブルに配っていきます。配ったパケットを手に取り、トップの32枚目をゆっくりとひっくり返すと、そのカードは観客の選んだカードなのです!
マジシャンは最後まで選ばれたカードを口にすることはありませんし、その必要もありません。何故ならばそのカードは観客の言った枚数目から出てくるのですから。


これが観客の受ける、このトリックの印象です。
重要なのは観客にとってこの通りの現象が本当に起こせるということ。
これは完璧なストップカードトリックです。
ただし、あくまで「観客の受ける印象」ですので、実際にやっていることはもう少しあります。
ただそれを書いてしまうと、このトリックの「現象の価値」が下がってしまうと言うか、このままの現象を観客は観たことになるのでこれでいいかな、と。

冊子はひどくあっさりしたものです。
和訳すると「このトリックまじ凄いねんで?」みたいな文章から始まり、「このタネは死ぬまで秘密にな!」の文章で終わるまで3ページ。挿絵を抜けば余裕の2ページで収まります。ペラペラです。

冊子自体も軽いですが、このトリックのタネはもっと軽いです。軽い?
読んだ後「え?これじゃバレるでしょ?」と絶対に思います。
非常に堂々と、言葉は悪いのですが、インチキしています。
テクニックは必要なし。使うのは少しばかりのミスディレクション。それだけ。
それだけで上に書いた現象を起こせます。
「超簡単で超効果的!」そんな有り得ないような宣伝文句がこのトリックになら言えるかもしれません。

最後にカードをひっくり返したとき、観客の反応を見てこのマジックの真価は解ります。
貴方はきっと思うはず。「すごいぜGoldman!!」

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あすぱら

トマト・お酒・カードマジック好き。
最近はレザーアイテムをチマチマ作っております。