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二川滋夫さんの「フォアテル」

マジックの話し
02 /19 2007
今日はカードトリックから離れて、シンプルな数字を使ったトリック。
マジックハウスを経営されている二川滋夫さんの考案された「フォアテル」をご紹介します。

「フォアテル」
マジシャンは小さなメモを4枚切り取り、両面に数字を書いていきます。
「実は物凄い発見をしたのです。でもまだ実験段階なので、今日はその実験のお手伝いをお願いしたいのです。よろしいですか?」
4枚のメモの両面を見せ同じ数字は一つもないことを示す。
「このメモの両面にはそれぞれバラバラの2桁の数字が書かれています。これには16、裏は31。こっちのメモには57と42ですね。」
「これらの数字を使ってこれからある計算をしてもらいます。その前に私も計算をしますが、ここで発見した定理を使うのです。名づけてペペロンチーニ定理です。」
「これを使うと未来のことが予測できてしまうという凄い定理なのですよ。」
マジシャンはメモを1枚切り取りなにやら複雑な計算をして答えを出します。
その答えは観客に見せずメモは伏せて置きます。
「この答えは最後に見ましょう。さて、貴方にも計算をしてもらいます。まずこの4枚のメモを混ぜてください。順番や裏表がバラバラになるようにお願いします。」
観客にメモを渡し裏表がバラバラになるように混ぜてもらう。
「ではそのメモを並べてください。もう裏と表はバラバラになってますね。もしこの一枚が逆向きだったら(メモの一枚を指差しひっくり返す)もちろんこの4つの数字の合計は違ってきます。わかりますか?」
「今は完全にランダムの状態です。ではもう一度念のため、貴方の意思で自由に2枚ひっくり返しちゃってください。」
観客は全く自由にメモをひっくり返す。
「では今表を向いているメモの数字を全て足して合計をこのメモに書いてください。」
新しいメモを渡して合計値を書いてもらう。
「もう一度確認確認します。もしこの中の一枚でも逆向きであれば合計値は違ってきます」
一枚ひっくり返し足してもらうと確かに違う合計値になる事を確認してもらう。
「私も貴方もこの合計値(例えば226)は予測できませんでした。しかし私が一番最初にペペロンチーニの定理で出した解答があります。それを見てみましょう。」
マジシャンが最初に伏せておいたメモの解答を見ると観客の出した合計値と見事に一致しており、マジシャンはランダムに出された数字の合計を予測していたことになります。
「実験は見事成功です。有難うございました。」

数字を使ったトリックだと、どうしても複雑になってしまったり、あまり不思議に見えなくなってしまうことがあります。
このトリックは4枚のメモの合計値が予言されている、というシンプルな現象で、さらに観客が行う計算も数字を足していくだけですので非常にクリーンな演出になります。
メモさえあれば演じる事ができ、テクニックは一切不要ですから演出に集中できますね。
しかもこれ、かなり不思議です。どれか一枚でも逆向きになっていれば答えは違ってきますので完全にランダムの数字にしか思えません。
非常に頭の良いトリックだと思います。超お勧め。

今日は外に出たら「春の匂い」がしました。季節によって「匂い」って変わりますよね。
今年は暖冬ですが、春が来るのも早いのでしょうか。

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あすぱら

トマト・お酒・カードマジック好き。
最近はレザーアイテムをチマチマ作っております。