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カード別使用感 WIZARDS' INN DECK

カード別使用感
02 /01 2008
中国大丈夫かな?
北京五輪で選手が腹痛を起こしたら真っ先にホテルの料理が疑われそうです。

「WIZARDS' INN」はプロマジシャンの派遣やレクチャー、イベント企画などを手がけている企業(株式会社)です。所属するマジシャンで有名な方は緒川集人さんや小林恵子さんなど。
この組織に関してちょっとした問題がネット上で取り沙汰されたことがありました。ご存知なくて興味のある人は調べてみると良いでしょう。
マジックそのものについて考えさせられる深い内容です。

「あすぱら」はあくまで「プレイングカード」に拘るのでその辺はあまり触りません。
というわけで、今日のカードは日本製「WIZARDS' INN DECK」です。

「WIZARDS' INN DECK」
かつて、ウィザードインが企画し、株式会社ティーアイ東京によって製作された「マジックカードPRO」というデックがありました。
「マジックマスター」というマジックを題材にした漫画ともリンクしたカードだそうで、マジックに使うことを前提としたデックでした。
理由は分かりませんが間もなく発売終了となり、現在手に入れることは困難です。
「WIZARDS' INN DECK」は「マジックカードPRO」の後身とも言えるデックでしょう。
製作も恐らく同じところですから、数少ない国産マジック用デックと言えます。

価格は945円。品質や耐久性が値段に釣り合っていると感じられれば多少高くても構わないのですが、ワンデック1000円というのはやはり高いです。
WIZARDS'INNのウェブサイトで購入できます。ハンズでも売っていました。
ケースには大きなバラの絵と「WIZARDS' INN DECK」の文字。大胆な構図です。
頑丈なケースで、大きな特徴は蓋のベロの部分。他のカードケースに比べてかなり大きめに作られています。ジョーカーはデュプリケイト。バラに「WIZARDS'INN」と書かれた黄色のリボンが巻きついた絵、カッコつけましたねぇ。
スペードのAにも「WIZARDS'INN」と「MADE IN JAPAN」の文字。
裏模様のエンド部にもWIZARDS'INNの名前が書かれています。

開封直後のすべり具合
「★★★★★☆☆☆」(8)
滑りすぎはありません。
プロマジシャンの意見を反映した、というだけあって滑り具合は丁度良いです。

裏模様の見た目
個人的に「★★★★★」(5)
マジック用として「★★★★★☆☆」(7)
何をモチーフにしたのかよく分かりません。槍かな?
現在は赤と青に加えて、ブラック・グリーン・パープルの計5色まで販売されました。
スプレッドのやり易さ、広がり具合
「★★★」(3)
マットの上なら問題なしですが、ツルツルしたテーブル上では綺麗に広がりません。
生産時期によって滑り具合が大きく異なります。赤、青、緑、黒は比較的広げ易いのですが、紫はとても広げ難い表質です。これは意図的に変えたそうです。[情報のご提供有難うございます]
BICYCLEなどと比べるとすこしダマダマしてしまいます。カードが少し慣れた頃に具合が良くなってきます。
CLUB ANGELと似ていますが、あのデックよりもこちらの方が綺麗に広がります。

リフルシャフルのやり易さ
「★★★★★☆」(6)
滑り過ぎることがなく、BICYCLEよりも硬めのカードなのでやり易いです。
エンボス加工が無いので、カードを揃える時の抵抗もありますがシャフルし易いデックです。

ファローシャフルのやり易さ
「★★」(2)
ファローシャフルには不向きです。Cartamundiよりも若干素直、という具合で、パーフェクトファローは難しいです。
すこし強く合わせると良いでしょう。

カードの硬さ
「★★★★★☆☆」(7)
Beeよりも硬く、CLUB ANGELよりは柔らかい程度です。
弾力も強く、耐久性は期待できるでしょう。
厚さはBICYCLEよりも3枚程度薄く、使用感の中でもかなり薄い部類に入ります。カード一枚の厚さを測ると、約0.28~0.29mmです。(BICYCLEは0.30~0.31mm)

エンボス加工の有無
無し。WIZARDS'INNの説明では「エルムズレイやジェミニなどのカウント技法がやり易いようエンボス加工を無くした」とありますが、僕はよく理解できません。
表面は滑らかでスベスベしています。加工の記載無し。
カード同士がくっ付きパケットが崩れないのでフラリッシュに使いやすいでしょう。

何層構造か
5層構造です。中の芯になる紙が3枚構造で、表面に一枚ずつといった感じです。
これでフェイクカードを作るのは難しいでしょう。

値段との釣り合い
[#IMAGE|S7#]
勿論良い品質ですが、1000円は出せません。

総評
マジックにもフラリッシュにも向いていると感じました。
カードの厚さや硬さもこの辺が限度かな、と思います。耐久性は相当あるでしょう。
表面はツルツルスベスベして丁度良い滑り具合なのですが、テーブルでのスプレッドや手でファン状にするには綺麗にできません。それからファローシャフルもBICYCLEやBeeに比べればかなり残念な具合です。
デックの側面はとても滑らかでカード全体が「丁寧に作られた」と感じられますが、空けた直後は何だか少しだけベタベタするデックもありました。カード同士が異様にくっ付くような感じ。

マット上での滑り具合は問題なく、耐久性もかなりあり、カラーバリエーションも豊富です。「マジックに使う」をコンセプトに作られただけあってとっても使いやすい質です。フラリッシュにもとてもよい品質だと思います。

ただ、正直「これで1000円弱はないね」という感想でした。
WynnやSplitSpadesLION、ANGLOやTEXANなど、とっても良い質でマジックやフラリッシュに使い易いカードが高くても700円程度で購入できることを考えると、このデックひとつに1000円は出せませんね。
これも700円程度がギリギリ出せる価格だと思います。質だけ見ると「あすぱら一押し」デックなのですが、価格がよろしくありません。それから裏模様に「WIZARDS' INN」と書かれているのも個人的にあまり好きではありません。

カード別使用感 目次

コメント

非公開コメント

No title

どうもこんにちわ。Flourish好きの者です。
Wizard'sInnDeckは硬さ、カード同士のはりつき具合、滑り具合(=すべらなさ具合)、耐久性、グリップ、どれをとってもDan&Dave系のFlourishするのにはかなり向いていると思います。Jerry'sNuggetやWynnとはかなり異なるのですが、Flourish好きならば使い心地を試してす価値はあるかなと思います。
またカードが硬く、エンボス加工が無く滑りがそれなりなため、DoubleLiftなどのカードがずれては困る技法をするときに、とてもやりやすいDeckだと思います。BicycleやTally-Hoは、開封直後は滑りすぎ、使い込んだ際はカードの変形発生、のためにDoubleLift等は結構やりずらいかな、と個人的には思っています。
Magicをきれいに鮮やかに見せることより、確実な成功率を求めるならWizard'sInnDeckなどはおすすめかなと思います。

No title

こんばんわ。コメント有難う御座います。 

最初持った時は「重い」「側面がツルツルしている」という印象を受けたカードでした。
確かにカードのくっ付き具合はフラリッシュに向いていますね。
あとは、購入時に「高いな・・・・・」とは強く思いました^^;

技法を行う時にカードがずれることを防ぐ、というのが僕にはどうも解りません。
恐らく、人それぞれの癖・やり方に関わってくるので、J.u.N.さんとは違う感想を僕は持ったのでしょう。
僕としては「なるほど、そういう感想を持つ人も居るんだな」と見聞広まる思いです。有難う御座います。

No title

どうもこんにちわ。
先日Wizards'InnDeckのコメントを書かせていただいたものですが、新しいDeckを開封して開封直後の状態を確認したところ、Deckのサイド(グリップ)が滑りすぎて、開封直後は非常にFlourish等がやりにくいものでした。使い込むとグリップもでてきていい感じなのですが、開封直後はかなり使いづらい感じがありました。
カードがずれる感じは、2枚のカードをピンチグリップで保持した際にわかり易いと思います。滑りすぎのカードはずれないようにピンチグリップで保持するのが難しいと思います。

No title

やっぱりこのデックは側面がツルツルしていますよね。
スベスベしていて触り心地は良いのですけども。

確かに2枚で持った時にずれないよう、比較的楽に保持できますね。

No title

このデックにはもう1つ利点があるのです。
ネットにはかけませんが、
エンボスなしにした理由の1つでもあります。

No title

もう1つの利点とは一体なんでしょう??
僕には思いつきませんでした。もし差し支えなければ非公開コメントで是非教えてください。

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No title

マックス・マリニの使ったとされるものですね。
実際に使う場面があるのか無いのか、ちょっと分かりませんが^^;
有益な情報を有難うございます。

No title

お世話になっております。
ウィザードインデックとマジックカードPROの使用感の違いがわかりましたので、報告いたします。
監修した柳田さんに聞いたので、今までの「ゴールデンナゲットの紙質の違い」やら「ジェリーズナゲットが東急ハンズで...」やらとちがって正確な情報だと思います(笑)


厳密にいうと、ウィザードインデックの「赤と青」が、マジックカードPROにすごく似ているそうです。
ですがまったく同じではないそうです。
さらに、後に発売された「黒と緑」はニスに改良が加えられて、「赤と青」とも若干異なり、「紫」はさらにニスが変えられています。

マジックカードPROは、ウィザードインデックよりも重い紙を使っていて、ウィザードインデックの紙質は全色統一とのことです。


といったかんじです^^

No title

有難うございます。
なるほど、マジックカードはウィズデックの赤青と大体同じ質なのですね。
ウィズデックの紫はそれまでの赤青黒緑に比べて滑りが落ちているように感じるのですが、それは意図的な変更でしたか。何故変えたのでしょうね。
貴重な情報を有難うございました。

あすぱら

トマト・お酒・カードマジック好き。
最近はレザーアイテムをチマチマ作っております。